人生で初めて回らない寿司を食べた。

美味しかった。もう口説いこと言わないでシンプルに美味しかった。するする喉に入るから、どれくらい頂いたか分からない。

ああいうお店は店内のおすすめの張り紙にも値段は書いてないから、数字的にもいくら頂いたか分からない。

お刺身も握りも、色彩が綺麗すぎて感動した。

 

こんなに良くしてくれた人たちが、会うのは2回目だから面白い。本当に自分の子供のように可愛がってくれるから不思議。私たちの何をそこまで気に入ってくれたのかは分からない。(分からないことだらけ)でもなんか始め出合った時の直感的なものって絶対ある。少なからず私もそれを感じたからまたここに来たんだと思う。

 

本当にお母さんとお父さんのような世代の2回目に会う人と何を話すんだって感じだけどエンドレスに話してた。お父さんは口数が多い人ではないけれど、たまに物凄く心に刺さることを言う人だ。映画を観てあるあのジーンって感じ、昨日も何回かあった。

何十年も昔2人が若い頃、ランドマークタワーの最上階のフランス料理屋に行った話。普段お父さんは西洋的な料理や洋食はあまり好まない人で、でもお母さんがフランス料理が1番大好きで、お母さんを連れて行ってデートしたらしい。今もお母さんは細くスリムで、凄く飲むくせめちゃくちゃ少食。だけどフランス料理みたいなコースが多いものは自分のペースで食べれるっていうのもあって大好きらしい。そのコースの中に鳩肉の料理があって、あれが1番美味しかったとお母さんは言っていた。一方お父さんは元々向かない料理に加え、そんな普段食べるものでもないもの、といって全く覚えてない様子だった。そんな真反対の事を思ってたデートを話すお父さんの、喋る様子を見てれば分かる、私は「でもそのお母さんが好きなものを美味しそうに食べる様子を見てるのが幸せだったんですよね?」って言った。お父さん、今までにないくらいに幸せな顔で「うん。」って頷いた。多くを語らないけど物凄く素直な人で、なんだかその頷きを観ただけで一瞬で、私まで幸せになった。

もう何個か印象に残った場面、あったのにバカだから忘れちゃったや。

 

お寿司を食べたあと、近くのおじさんがやっているカラオケ付きのバーに行った。小さい舞台があって、そこで他のお客さんで50代くらいのおじさんがback numberやら米津玄師を歌うのでびっくりした。下手したら私より知ってるかもしれないと思った。

お父さんとドリカムの未来予想図IIを一緒に歌った。私はパパみたいな存在とあまり親しい関係を持った事や思い出もそんなにないから、この日は本当に忘れらないな。中森明菜の少女Aを歌おうとしたら中森明菜は若い!とか言うくせに、ドリカムも普通に歌ってしまうから結局お父さんが若いじゃない、と思った。

 

食べただけじゃなく貴重な経験をさせてもらった。今度は私が稼いで回らないお寿司に2人を連れていけたらな、と思ってる。